第一節 総則 

     第一款 通則 


第二十八条  この章において「第一種金融商品取引業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。 
一  有価証券(第二条第二項の規定により有価証券とみなされる同項各号に掲げる権利を除く。)についての同条第八項第一号から第三号まで、第五号、第八号又は第九号に掲げる行為 
二  第二条第八項第四号に掲げる行為又は店頭デリバティブ取引についての同項第五号に掲げる行為 
三  次のイからハまでのいずれかに該当する行為
イ 有価証券の元引受けであつて、損失の危険の管理の必要性の高いものとして政令で定めるもの
ロ 有価証券の元引受けであつて、イに掲げるもの以外のもの
ハ 第二条第八項第六号に掲げる行為であつて、有価証券の元引受け以外のもの
四  第二条第八項第十号に掲げる行為 
五  第二条第八項第十六号又は第十七号に掲げる行為 
2  この章において「第二種金融商品取引業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。 
一  第二条第八項第七号に掲げる行為 
二  第二条第二項の規定により有価証券とみなされる同項各号に掲げる権利についての同条第八項第一号から第三号まで、第五号、第八号又は第九号に掲げる行為 
三  第二条第八項第一号から第三号まで又は第五号に掲げる行為(前項第一号若しくは第二号又は前号に掲げるものを除く。) 
四  第二条第八項第十八号に掲げる行為 
3  この章において「投資助言・代理業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。 
一  第二条第八項第十一号に掲げる行為 
二  第二条第八項第十三号に掲げる行為 
4  この章において「投資運用業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいい、銀行、協同組織金融機関その他政令で定める金融機関が、当該行為のいずれかを業として行うことを含むものとする。 
一  第二条第八項第十二号に掲げる行為 
二  第二条第八項第十四号に掲げる行為 
三  第二条第八項第十五号に掲げる行為 
5  この章において「有価証券等管理業務」とは、第一種金融商品取引業に係る業務のうち、第一項第五号に掲げる行為に係る業務をいう。 
6  この章において「投資助言業務」とは、投資助言・代理業に係る業務のうち、第三項第一号に掲げる行為に係る業務をいう。 
7  この章において「有価証券の元引受け」とは、第二条第八項第六号に規定する有価証券の引受けであつて、次の各号のいずれかに該当するものをいう。 
一  当該有価証券を取得させることを目的として当該有価証券の全部又は一部を発行者又は所有者(金融商品取引業者及び登録金融機関を除く。次号及び第三号において同じ。)から取得すること。 
二  当該有価証券の全部又は一部につき他にこれを取得する者がない場合にその残部を発行者又は所有者から取得することを内容とする契約をすること。 
三  当該有価証券が新株予約権証券(これに準ずるものとして内閣府令で定める有価証券を含む。以下この号において同じ。)である場合において、当該新株予約権証券を取得した者が当該新株予約権証券の全部又は一部につき新株予約権(これに準ずるものとして内閣府令で定める権利を含む。以下この号において同じ。)を行使しないときに当該行使しない新株予約権に係る新株予約権証券を発行者又は所有者から取得して自己又は第三者が当該新株予約権を行使することを内容とする契約をすること。 
8  この章において「有価証券関連業」とは、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。 
一  有価証券の売買又はその媒介、取次ぎ(有価証券等清算取次ぎを除く。)若しくは代理 
二  取引所金融商品市場又は外国金融商品市場における有価証券の売買の委託の媒介、取次ぎ又は代理 
三  市場デリバティブ取引のうち、次に掲げる取引
イ 売買の当事者が将来の一定の時期において有価証券(有価証券に係る第二条第二十四項第五号に掲げる標準物を含み、政令で定めるものを除く。以下この号において同じ。)及びその対価の授受を約する売買であつて、当該売買の目的となつている有価証券の転売又は買戻しをしたときは差金の授受によつて決済することができる取引
ロ 当事者があらかじめ有価証券指標として約定する数値(以下この章において「有価証券約定数値」という。)と将来の一定の時期における現実の当該有価証券指標の数値(以下この章において「有価証券現実数値」という。)の差に基づいて算出される金銭の授受を約する取引
ハ 当事者の一方の意思表示により当事者間において次に掲げる取引を成立させることができる権利を相手方が当事者の一方に付与し、当事者の一方がこれに対して対価を支払うことを約する取引
(1) 有価証券の売買
(2) イ、ロ、ニ及びホに掲げる取引(ロに掲げる取引に準ずる取引で金融商品取引所の定めるものを含む。)
ニ 当事者が元本として定めた金額について当事者の一方が相手方と取り決めた有価証券の利率等又は有価証券指標(有価証券の利率等及びこれに基づいて算出した数値を除く。ニ及び次号ホにおいて同じ。)の約定した期間における変化率に基づいて金銭を支払い、相手方が当事者の一方と取り決めた金利若しくは有価証券の利率等又は通貨の価格若しくは有価証券指標の約定した期間における変化率に基づいて金銭を支払うことを相互に約する取引(これらの金銭の支払とあわせて当該元本として定めた金額に相当する金銭又は有価証券を授受することを約するものを含む。)
ホ イからニまでに掲げる取引に類似する取引であつて、政令で定めるもの
四  店頭デリバティブ取引のうち、次に掲げる取引
イ 売買の当事者が将来の一定の時期において有価証券(政令で定めるものを除く。以下この号において同じ。)及びその対価の授受を約する売買であつて、当該売買の目的となつている有価証券の売戻し又は買戻しその他政令で定める行為をしたときは差金の授受によつて決済することができる取引
ロ 有価証券約定数値と有価証券現実数値の差に基づいて算出される金銭の授受を約する取引又はこれに類似する取引
ハ 当事者の一方の意思表示により当事者間において次に掲げる取引を成立させることができる権利を相手方が当事者の一方に付与し、当事者の一方がこれに対して対価を支払うことを約する取引又はこれに類似する取引
(1) 有価証券の売買
(2) イ、ロ、ホ及びヘに掲げる取引
ニ 当事者の一方の意思表示により当事者間において当該意思表示を行う場合の有価証券指標としてあらかじめ約定する数値と現に当該意思表示を行つた時期における現実の当該有価証券指標の数値の差に基づいて算出される金銭を授受することとなる取引を成立させることができる権利を相手方が当事者の一方に付与し、当事者の一方がこれに対して対価を支払うことを約する取引又はこれに類似する取引
ホ 当事者が元本として定めた金額について当事者の一方が相手方と取り決めた有価証券の利率等若しくは有価証券指標の約定した期間における変化率に基づいて金銭を支払い、相手方が当事者の一方と取り決めた金利若しくは有価証券の利率等若しくは通貨の価格若しくは有価証券指標の約定した期間における変化率に基づいて金銭を支払うことを相互に約する取引(これらの金銭の支払とあわせて当該元本として定めた金額に相当する金銭又は有価証券を授受することを約するものを含む。)又はこれに類似する取引
ヘ イからホまでに掲げるもののほか、これらと同様の経済的性質を有する取引であつて、公益又は投資者の保護を確保することが必要と認められるものとして政令で定める取引
五  外国金融商品市場において行う取引であつて、第三号に掲げる取引と類似の取引 
六  前三号に掲げる取引(以下「有価証券関連デリバティブ取引」という。)の媒介、取次ぎ(有価証券等清算取次ぎを除く。)若しくは代理又は第三号若しくは前号に掲げる取引の委託の媒介、取次ぎ若しくは代理 
七  第二条第八項第五号に掲げる行為であつて、有価証券の売買、有価証券関連デリバティブ取引その他政令で定める取引に係るもの 
八  第二条第八項第六号、第八号又は第九号に掲げる行為 
     第二款 金融商品取引業者 


(登録) 
第二十九条  金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。 

(登録の申請) 
第二十九条の二  前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した登録申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。この場合において、第一種金融商品取引業を行おうとする外国法人は、国内における代表者(当該外国法人が第一種金融商品取引業を行うため国内に設けるすべての営業所又は事務所の業務を担当するものに限る。)を定めて当該登録申請書を提出しなければならない。 
一  商号、名称又は氏名 
二  法人であるときは、資本金の額又は出資の総額(第一種金融商品取引業を行おうとする外国法人にあつては、資本金の額又は出資の総額及び持込資本金(資本金に対応する資産のうち国内に持ち込むものをいう。以下同じ。)の額) 
三  法人であるときは、役員(外国法人にあつては、国内における代表者を含む。以下この章(第二十九条の四第一項第五号ホ(3)及び第五節を除く。)から第三章の三までにおいて同じ。)の氏名又は名称 
四  政令で定める使用人があるときは、その者の氏名 
五  業務の種別(第二十八条第一項第一号、第二号、第三号イからハまで及び第四号に掲げる行為に係る業務並びに有価証券等管理業務、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業並びに投資運用業の種別をいう。) 
六  本店その他の営業所又は事務所(外国法人にあつては、本店及び国内における主たる営業所又は事務所その他の営業所又は事務所)の名称及び所在地 
七  他に事業を行つているときは、その事業の種類 
八  その他内閣府令で定める事項 
2  前項の登録申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 
一  第二十九条の四第一項各号(第一号ハ及びニ並びに第五号ハを除く。)のいずれにも該当しないことを誓約する書面 
二  業務の内容及び方法として内閣府令で定めるものを記載した書類その他内閣府令で定める書類 
三  前二号に掲げるもののほか、法人である場合においては、定款、登記事項証明書その他内閣府令で定める書類 
3  前項第三号に掲げる書類を添付する場合において、定款が電磁的記録で作成されているときは、書類に代えて電磁的記録(内閣府令で定めるものに限る。)を添付することができる。 
4  持込資本金の額の計算については、政令で定める。 

(登録簿への登録) 
第二十九条の三  内閣総理大臣は、第二十九条の登録の申請があつた場合においては、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を金融商品取引業者登録簿に登録しなければならない。 
一  前条第一項各号に掲げる事項 
二  登録年月日及び登録番号 
2  内閣総理大臣は、金融商品取引業者登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。 

(登録の拒否) 
第二十九条の四  内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはこれに添付すべき書類若しくは電磁的記録のうちに虚偽の記載若しくは記録があり、若しくは重要な事実の記載若しくは記録が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。 
一  次のいずれかに該当する者
イ 第五十二条第一項、第五十三条第三項若しくは第五十七条の六第三項の規定により第二十九条の登録を取り消され、第六十条の八第一項の規定により第六十条第一項の許可を取り消され、第六十六条の二十第一項の規定により第六十六条の登録を取り消され、若しくは第六十六条の四十二第一項の規定により第六十六条の二十七の登録を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録若しくは許可(当該登録又は許可に類する認可その他の行政処分を含む。)を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者
ロ この法律、担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)、商品先物取引法、投資信託及び投資法人に関する法律、宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和二十九年法律第百九十五号)、割賦販売法(昭和三十六年法律第百五十九号)、貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)、特定商品等の預託等取引契約に関する法律(昭和六十一年法律第六十二号)、商品投資に係る事業の規制に関する法律(平成三年法律第六十六号)、不動産特定共同事業法、資産の流動化に関する法律、金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律(平成十一年法律第三十二号)、信託業法(平成十六年法律第百五十四号)その他政令で定める法律又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
ハ 他に行う事業が公益に反すると認められる者
ニ 金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者
二  法人である場合においては、役員(相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、当該法人に対し取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この号、第五十二条第二項、第五十二条の二第二項並びに第五十七条の二十第一項第一号及び第三項において同じ。)又は政令で定める使用人のうちに次のいずれかに該当する者のある者
イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
ロ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
ハ 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
ニ 金融商品取引業者であつた法人が第五十二条第一項、第五十三条第三項若しくは第五十七条の六第三項の規定により第二十九条の登録を取り消されたことがある場合、第六十条の四第一項に規定する取引所取引許可業者であつた法人が第六十条の八第一項の規定により第六十条第一項の許可を取り消されたことがある場合、金融商品仲介業者であつた法人が第六十六条の二十第一項の規定により第六十六条の登録を取り消されたことがある場合若しくは信用格付業者であつた法人が第六十六条の四十二第一項の規定により第六十六条の二十七の登録を取り消されたことがある場合又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けていた同種類の登録若しくは許可(当該登録又は許可に類する認可その他の行政処分を含む。)を取り消されたことがある場合において、その取消しの日前三十日以内にこれらの法人の役員であつた者でその取消しの日から五年を経過しない者
ホ 金融商品取引業者であつた個人が第五十二条第一項の規定により第二十九条の登録を取り消されたことがある場合若しくは金融商品仲介業者であつた個人が第六十六条の二十第一項の規定により第六十六条の登録を取り消されたことがある場合又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けていた同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)若しくは第六十条第一項の許可と同種類の許可(当該許可に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消されたことがある場合において、その取消しの日から五年を経過しない者
ヘ 第五十二条第二項、第六十条の八第二項、第六十六条の二十第二項若しくは第六十六条の四十二第二項の規定により解任若しくは解職を命ぜられた役員又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において解任を命ぜられた役員でその処分を受けた日から五年を経過しない者
ト 前号ロに規定する法律の規定若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第三十二条の三第七項の規定を除く。)若しくはこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
三  個人である場合においては、前号イからヘまで若しくはト(第一号ロに規定する法律の規定に係る部分を除く。)のいずれかに該当する者又は政令で定める使用人のうち前号イからトまでのいずれかに該当する者のある者 
四  第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業又は投資運用業を行おうとする場合(個人である場合を除く。)にあつては、資本金の額又は出資の総額が、公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める金額に満たない者 
五  第一種金融商品取引業又は投資運用業を行おうとする場合にあつては、次のいずれかに該当する者
イ 株式会社(取締役会及び監査役又は委員会(会社法第二条第十二号に規定する委員会をいう。)を置くものに限る。)又は外国の法令に準拠して設立された取締役会設置会社と同種類の法人(第一種金融商品取引業を行おうとする場合にあつては、当該外国の法令に準拠し、当該外国において第一種金融商品取引業と同種類の業務を行つている者(これに類するものとして政令で定める者を含む。)であつて、国内に営業所又は事務所を有する者に限る。)でない者
ロ 純財産額(内閣府令で定めるところにより、資産の合計金額から負債の合計金額を控除して算出した額をいう。)が、公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める金額に満たない者
ハ 他に行つている事業が第三十五条第一項に規定する業務及び同条第二項各号に掲げる業務のいずれにも該当せず、かつ、当該事業に係る損失の危険の管理が困難であるために投資者保護に支障を生ずると認められる者
ニ 個人である主要株主(登録申請者が持株会社(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第九条第四項第一号に規定する持株会社をいう。以下この号及び第三十二条の四において同じ。)の子会社であるときは、当該持株会社の主要株主を含む。ホ及びヘにおいて同じ。)のうちに次のいずれかに該当する者のある法人(外国法人を除く。)
(1) 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者であつて、その法定代理人が第二号イからトまでのいずれかに該当するもの
(2) 第二号ロからトまでのいずれかに該当する者
ホ 法人である主要株主のうちに次のいずれかに該当する者のある法人(外国法人を除く。)
(1) 第一号イに該当する者
(2) 第一号ロに規定する法律の規定又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
(3) 法人を代表する役員のうちに第二号イからトまでのいずれかに該当する者のある者
ヘ 主要株主に準ずる者が金融商品取引業の健全かつ適切な運営に支障を及ぼすおそれがない者であることについて、外国の当局(第百八十九条第一項に規定する外国金融商品取引規制当局その他政令で定める外国の法令を執行する当局をいう。)による確認が行われていない外国法人
六  第一種金融商品取引業を行おうとする場合にあつては、次のいずれかに該当する者
イ 第四十六条の六第一項の規定に準じて算出した比率が百二十パーセントを下回る者
ロ 他の金融商品取引業者(第一種金融商品取引業を行う者に限る。ロにおいて同じ。)が現に用いている商号と同一の商号又は他の金融商品取引業者と誤認されるおそれのある商号を用いようとする者
2  前項第五号ニからヘまでの「主要株主」とは、会社の総株主等の議決権(総株主、総社員、総会員、総組合員又は総出資者の議決権をいい、株式会社にあつては、株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下同じ。)の百分の二十(会社の財務及び業務の方針の決定に対して重要な影響を与えることが推測される事実として内閣府令で定める事実がある場合には、百分の十五)以上の数の議決権(社債、株式等の振替に関する法律第百四十七条第一項又は第百四十八条第一項(これらの規定を同法第二百二十八条第一項、第二百三十五条第一項、第二百三十九条第一項及び第二百七十六条第二号において準用する場合を含む。)の規定により発行者に対抗することができない株式又は持分に係る議決権を含み、保有の態様その他の事情を勘案して内閣府令で定めるものを除く。第四項並びに第三十二条第一項及び第四項において「対象議決権」という。)を保有している者をいう。 
3  第一項第五号ニの「子会社」とは、会社がその総株主等の議決権の過半数を保有する他の会社をいう。この場合において、会社及びその一若しくは二以上の子会社又は当該会社の一若しくは二以上の子会社がその総株主等の議決権の過半数を保有する他の会社は、当該会社の子会社とみなす。 
4  次の各号に掲げる場合における第二項の規定の適用については、当該各号に定める対象議決権は、これを保有しているものとみなす。 
一  金銭の信託契約その他の契約又は法律の規定に基づき、会社の対象議決権を行使することができる権限又は当該議決権の行使について指図を行うことができる権限を有する場合 当該対象議決権 
二  株式の所有関係、親族関係その他の政令で定める特別の関係にある者が法人の対象議決権を保有する場合 当該特別の関係にある者が保有する当該対象議決権 
5  第二項及び前項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。 

(適格投資家に関する業務についての登録等の特例) 
第二十九条の五  第二十九条の登録を受けようとする者が投資運用業のうち次に掲げる全ての要件を満たすもの(以下この条において「適格投資家向け投資運用業」という。)を行おうとする場合における当該適格投資家向け投資運用業についての第二十九条の二第一項第五号及び前条第一項第五号イの規定の適用については、第二十九条の二第一項第五号中「投資運用業の種別」とあるのは「投資運用業の種別(第二十九条の五第一項に規定する適格投資家向け投資運用業にあつては、これに該当する旨を含む。)」と、前条第一項第五号イ中「取締役会及び監査役」とあるのは「監査役」と、「取締役会設置会社」とあるのは「監査役設置会社若しくは委員会設置会社」とする。 
一  全ての運用財産(第三十五条第一項第十五号に規定する運用財産をいう。次号において同じ。)に係る権利者(第四十二条第一項に規定する権利者をいい、第二条第八項第十二号イに掲げる契約の相手方である登録投資法人(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十三項に規定する登録投資法人をいう。)の投資主(同法第二条第十六項に規定する投資主をいう。)その他これに準ずる者として政令で定める者を含む。)が適格投資家のみであること。 
二  全ての運用財産の総額が投資運用業の実態及び我が国の資本市場に与える影響その他の事情を勘案して政令で定める金額を超えないものであること。 
2  適格投資家向け投資運用業を行うことにつき第二十九条の登録を受けた金融商品取引業者が第二条第八項第十二号ロに掲げる契約に基づき次に掲げる有価証券に表示される権利を有する者から出資又は拠出を受けた金銭その他の財産の運用を行う権限の全部の委託を受けた者である場合におけるこの法律その他の法令の規定の適用については、当該金融商品取引業者が適格投資家を相手方として行う当該有価証券の私募の取扱い(当該有価証券がその取得者から適格投資家以外の者に譲渡されるおそれが少ないものとして政令で定めるものに限る。)を行う業務は、第二種金融商品取引業とみなす。 
一  第二条第一項第十号に掲げる有価証券 
二  第二条第一項第十一号に掲げる有価証券 
三  第二条第一項第十四号に掲げる有価証券又は同項第十七号に掲げる有価証券(同項第十四号に掲げる有価証券の性質を有するものに限る。) 
四  第二条第一項第二十一号に掲げる有価証券のうち、同条第八項第十四号又は第十五号に規定する政令で定める権利を表示するもの 
五  前各号に掲げる有価証券に表示されるべき権利であつて、第二条第二項の規定により有価証券とみなされるもの 
3  第一項第一号及び前項の「適格投資家」とは、特定投資家その他その知識、経験及び財産の状況に照らして特定投資家に準ずる者として内閣府令で定める者又は金融商品取引業者(第二十九条の登録を受けようとする者を含む。)と密接な関係を有する者として政令で定める者をいう。 
4  第一項及び第二項の規定の適用については、次に掲げる者は、前項に規定する適格投資家に該当しないものとみなす。 
一  その発行する資産対応証券(資産の流動化に関する法律第二条第十一項に規定する資産対応証券をいう。)を適格投資家(前項に規定する適格投資家をいう。次号において同じ。)以外の者が取得している特定目的会社(同条第三項に規定する特定目的会社をいう。) 
二  有価証券に対する投資事業に係る契約その他の法律行為(当該契約その他の法律行為に基づく権利が第二条第二項第五号又は第六号に掲げる権利に該当するものに限る。)で適格投資家以外の者を相手方とするものに基づき当該相手方から出資又は拠出を受けた金銭その他の財産を充てて当該投資事業を行い、又は行おうとする者(当該投資事業に係る財産の運用が第三十四条に規定する金融商品取引業者等(投資運用業を行う者に限る。)その他の政令で定める者により行われる場合を除く。) 
三  前二号に掲げる者に準ずる者として内閣府令で定める者 
5  適格投資家向け投資運用業を行うことにつき第二十九条の登録を受けた金融商品取引業者が当該適格投資家向け投資運用業を行う場合における第二条第十一項、第六十六条の二第一項第四号及び第六十六条の十四第一号ハの規定の適用については、第二条第十一項中「第一種金融商品取引業又は同条第四項に規定する投資運用業」とあるのは「第一種金融商品取引業」と、「同項」とあるのは「第二十八条第四項」と、第六十六条の二第一項第四号中「第一種金融商品取引業又は投資運用業(第二十八条第四項に規定する投資運用業をいう。第六十六条の十四第一号ハにおいて同じ。)」とあるのは「第一種金融商品取引業」と、第六十六条の十四第一号ハ中「又は投資運用業」とあるのは「又は投資運用業(同条第四項に規定する投資運用業をいう。ハにおいて同じ。)」とする。 

(認可) 
第三十条  金融商品取引業者は、第二条第八項第十号に掲げる行為を業として行おうとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。 
2  内閣総理大臣は、金融商品取引業者に対し前項の認可をしたときは、その旨を当該金融商品取引業者の登録に付記しなければならない。 

(認可の条件) 
第三十条の二  内閣総理大臣は、前条第一項の認可に条件を付することができる。 
2  前項の条件は、公益又は投資者保護のため必要な最小限度のものでなければならない。 

(認可の申請) 
第三十条の三  第三十条第一項の認可を受けようとする金融商品取引業者は、次に掲げる事項を記載した認可申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。 
一  商号 
二  登録年月日及び登録番号 
2  前項の認可申請書には、損失の危険の管理方法、業務分掌の方法その他の業務の内容及び方法として内閣府令で定めるものを記載した書類その他内閣府令で定める書類を添付しなければならない。 

(認可の基準) 
第三十条の四  内閣総理大臣は、第三十条第一項の認可をしようとするときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。 
一  損失の危険の管理に関し、適切な体制及び規則の整備を行つていること。 
二  資本金の額が、公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める金額以上であること。 
三  純財産額が前号に規定する金額以上であること。 
四  第四十六条の六第二項の規定に違反していないこと。 
五  認可申請者の売買価格の決定方法、受渡しその他の決済の方法その他内閣府令で定める業務の内容及び方法が、公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものであること。 

(変更登録等) 
第三十一条  金融商品取引業者は、第二十九条の二第一項各号(第五号を除く。)に掲げる事項について変更があつたときは、その日から二週間以内に、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。 
2  内閣総理大臣は、前項の規定による届出を受理したときは、届出があつた事項を金融商品取引業者登録簿に登録しなければならない。 
3  金融商品取引業者は、第二十九条の二第二項第二号に掲げる書類に記載した業務の内容又は方法について変更があつたときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。 
4  金融商品取引業者は、第二十九条の二第一項第五号に掲げる事項について変更をしようとするときは、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の行う変更登録を受けなければならない。 
5  第二十九条の三及び第二十九条の四の規定は、前項の変更登録について準用する。この場合において、第二十九条の三第一項中「次に掲げる事項」とあるのは「変更に係る事項」と、第二十九条の四第一項中「次の各号」とあるのは「次の各号(第一号イからハまで、第二号及び第三号を除く。)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 
6  第三十条第一項の認可を受けた金融商品取引業者は、第三項の規定にかかわらず、当該認可を受けた業務に係る損失の危険の管理方法、売買価格の決定方法、受渡しその他の決済の方法その他内閣府令で定める業務の内容及び方法を変更しようとする場合においては、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。 

(営業保証金) 
第三十一条の二  金融商品取引業者(第二種金融商品取引業を行う個人及び投資助言・代理業のみを行う者に限る。以下この条において同じ。)は、営業保証金を主たる営業所又は事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。 
2  前項の営業保証金の額は、金融商品取引業者の業務の実情及び投資者の保護の必要性を考慮して、政令で定める額とする。 
3  金融商品取引業者は、政令で定めるところにより、当該金融商品取引業者のために所要の営業保証金が内閣総理大臣の命令に応じて供託される旨の契約を締結し、その旨を内閣総理大臣に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、当該契約において供託されることとなつている金額(以下この条において「契約金額」という。)につき第一項の営業保証金の全部又は一部の供託をしないことができる。 
4  内閣総理大臣は、投資者保護のため必要があると認めるときは、金融商品取引業者と前項の契約を締結した者又は当該金融商品取引業者に対し、契約金額に相当する金額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。 
5  金融商品取引業者は、第一項の営業保証金につき供託(第三項の契約の締結を含む。)を行い、その旨を内閣総理大臣に届け出た後でなければ、金融商品取引業を開始してはならない。 
6  金融商品取引業者と投資顧問契約を締結した者、金融商品取引業者による投資顧問契約又は投資一任契約の代理又は媒介により投資顧問契約又は投資一任契約を締結した者及び金融商品取引業者による有価証券の売買又はその媒介、取次ぎ若しくは代理により有価証券の売買契約を締結した者は、これらの契約により生じた債権に関し、当該金融商品取引業者に係る営業保証金について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。 
7  前項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。 
8  金融商品取引業者は、第六項の権利の実行その他の理由により、営業保証金の額(契約金額を含む。第十項において同じ。)が第二項の政令で定める額に不足することとなつたときは、内閣府令で定める日から三週間以内にその不足額につき供託(第三項の契約の締結を含む。)を行い、その旨を遅滞なく内閣総理大臣に届け出なければならない。 
9  第一項又は前項の規定により供託する営業保証金は、国債証券、地方債証券その他の内閣府令で定める有価証券をもつてこれに充てることができる。 
10  第一項、第四項又は第八項の規定により供託した営業保証金は、第五十二条第一項若しくは第四項若しくは第五十四条の規定により第二十九条の登録が取り消されたとき、第五十条の二第二項の規定により第二十九条の登録がその効力を失つたとき、第二種金融商品取引業(個人が行う場合に限る。)及び投資助言・代理業以外の金融商品取引業を行うことにつき前条第四項の変更登録を受けたとき、又は営業保証金の額が第二項の政令で定める額を超えることとなつたときは、政令で定めるところにより、その全部又は一部を取り戻すことができる。 
11  前各項に規定するもののほか、営業保証金に関し必要な事項は、内閣府令・法務省令で定める。 

(商号等の使用制限) 
第三十一条の三  金融商品取引業者でない者は、金融商品取引業者という商号若しくは名称又はこれに紛らわしい商号若しくは名称を用いてはならない。 

(金融商品取引業を行う旨の表示等の禁止) 
第三十一条の三の二  金融商品取引業者等(第三十四条に規定する金融商品取引業者等をいう。)、金融商品仲介業者その他の法令の規定により金融商品取引業(第三十三条の五第一項第三号に規定する登録金融機関業務を含む。以下この条において同じ。)を行うことができる者以外の者は、次に掲げる行為をしてはならない。 
一  第三十六条の二第一項に規定する標識又はこれに類似する標識の掲示その他の金融商品取引業を行う旨の表示をすること。 
二  金融商品取引業を行うことを目的として、金融商品取引契約(第三十四条に規定する金融商品取引契約をいう。)の締結について勧誘をすること(第二条第八項各号に掲げる行為に該当するものを除く。)。 

(取締役等の就任等に係る届出) 
第三十一条の四  金融商品取引業者(第一種金融商品取引業又は投資運用業を行う者に限る。以下この項において同じ。)の取締役又は執行役は、他の会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。以下この項及び次項において同じ。)、監査役若しくは執行役に就任した場合(他の会社の取締役、会計参与、監査役又は執行役が金融商品取引業者の取締役又は執行役を兼ねることとなつた場合を含む。)又は他の会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役を退任した場合には、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。 
2  金融商品取引業者(第一種金融商品取引業以外の有価証券関連業を行う者に限る。)の取締役又は執行役は、当該金融商品取引業者の親銀行等若しくは子銀行等の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役に就任した場合(当該親銀行等又は子銀行等の取締役、会計参与、監査役又は執行役が当該金融商品取引業者の取締役又は執行役を兼ねることとなつた場合を含む。)又は親銀行等若しくは子銀行等の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役を退任した場合には、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。 
3  前項の「親銀行等」とは、金融商品取引業者の総株主等の議決権の過半数を保有していることその他の当該金融商品取引業者と密接な関係を有する法人その他の団体として政令で定める要件に該当する者(第三十三条の三第二項第三号及び第四十四条の三において「親法人等」という。)のうち、銀行、協同組織金融機関その他政令で定める金融機関に該当するものをいう。 
4  第二項の「子銀行等」とは、金融商品取引業者が総株主等の議決権の過半数を保有していることその他の当該金融商品取引業者と密接な関係を有する法人その他の団体として政令で定める要件に該当する者(第三十三条の三第二項第三号及び第四十四条の三において「子法人等」という。)のうち、銀行、協同組織金融機関その他政令で定める金融機関に該当するものをいう。 
5  第三項に規定する総株主等の議決権の過半数の保有の判定に関し必要な事項は、その保有の態様その他の事情を勘案して、内閣府令で定める。 

(取締役等の適格性等) 
第三十一条の五  会社法第三百三十一条第二項ただし書(同法第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十二条第二項(同法第三百三十四条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十六条第二項及び第四百二条第五項ただし書の規定は、金融商品取引業者(第一種金融商品取引業又は投資運用業を行う者に限る。)については、適用しない。 
     第三款 主要株主 


(対象議決権保有届出書の提出等) 
第三十二条  金融商品取引業者(第一種金融商品取引業又は投資運用業を行う者に限り、外国法人を除く。以下この款において同じ。)の主要株主(第二十九条の四第二項に規定する主要株主をいう。以下この節において同じ。)となつた者は、内閣府令で定めるところにより、対象議決権保有割合(対象議決権の保有者の保有する当該対象議決権の数を当該金融商品取引業者の総株主等の議決権の数で除して得た割合をいう。)、保有の目的その他内閣府令で定める事項を記載した対象議決権保有届出書を、遅滞なく、内閣総理大臣に提出しなければならない。 
2  前項の対象議決権保有届出書には、第二十九条の四第一項第五号ニ(1)及び(2)並びにホ(1)から(3)までに該当しないことを誓約する書面その他内閣府令で定める書類を添付しなければならない。 
3  金融商品取引業者の特定主要株主以外の主要株主は、当該金融商品取引業者の特定主要株主となつたときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。 
4  前項の「特定主要株主」とは、会社の総株主等の議決権の百分の五十を超える対象議決権を保有している者をいう。 
5  第二十九条の四第四項の規定は、前項の規定を適用する場合について準用する。 

(主要株主に対する措置命令等) 
第三十二条の二  内閣総理大臣は、金融商品取引業者の主要株主が第二十九条の四第一項第五号ニ(1)若しくは(2)又はホ(1)から(3)までのいずれかに該当する場合には、当該主要株主に対し三月以内の期間を定めて当該金融商品取引業者の主要株主でなくなるための措置その他必要な措置をとることを命ずることができる。 
2  内閣総理大臣は、金融商品取引業者の特定主要株主(前条第四項に規定する特定主要株主をいう。以下同じ。)の業務又は財産の状況(当該特定主要株主が法人である場合にあつては、当該特定主要株主の子法人等(特定主要株主が総株主等の議決権の過半数を保有していることその他の当該特定主要株主と密接な関係を有する法人その他の団体として政令で定める要件に該当する者をいう。)の財産の状況を含む。)に照らして公益又は投資者保護のため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該特定主要株主に対し、当該金融商品取引業者の業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置をとることを命ずることができる。 
3  内閣総理大臣は、金融商品取引業者の特定主要株主が前項の規定による命令に違反した場合には、当該特定主要株主に対し三月以内の期間を定めて当該金融商品取引業者の主要株主でなくなるための措置その他必要な措置をとることを命ずることができる。 

(主要株主でなくなつた旨の届出等) 
第三十二条の三  金融商品取引業者の主要株主は、当該金融商品取引業者の主要株主でなくなつたときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。 
2  金融商品取引業者の特定主要株主は、当該金融商品取引業者の特定主要株主以外の主要株主となつたときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。 

(主要株主に関する規定の準用) 
第三十二条の四  第三十二条第一項及び第二項、第三十二条の二第一項並びに前条第一項の規定は、金融商品取引業者を子会社(第二十九条の四第三項に規定する子会社をいう。)とする持株会社の株主又は出資者について準用する。 
     第四款 登録金融機関 


(金融機関の有価証券関連業の禁止等) 
第三十三条  銀行、協同組織金融機関その他政令で定める金融機関(以下この条、次条及び第二百一条において「金融機関」という。)は、有価証券関連業又は投資運用業を行つてはならない。ただし、有価証券関連業については、金融機関が他の法律の定めるところにより投資の目的をもつて、又は信託契約に基づいて信託をする者の計算において有価証券の売買若しくは有価証券関連デリバティブ取引を行う場合は、この限りでない。 
2  前項本文の規定は、金融機関が、書面取次ぎ行為(顧客の書面による注文を受けてその計算において有価証券の売買又は有価証券関連デリバティブ取引を行うことをいい、当該注文に関する顧客に対する勧誘に基づき行われるもの及び当該金融機関が行う投資助言業務に関しその顧客から注文を受けて行われるものを除く。次条第一号において同じ。)又は次の各号に掲げる有価証券若しくは取引について、当該各号に定める行為を行う場合には、適用しない。 
一  第二条第一項第一号及び第二号に掲げる有価証券、同項第三号に掲げる有価証券(政府が元本の償還及び利息の支払について保証しているもの並びに信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第五十四条の四第一項に規定する短期債及び農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第六十二条の二第一項に規定する短期農林債に限る。)、第二条第一項第四号に掲げる有価証券、同項第五号に掲げる有価証券(政府が元本の償還及び利息の支払について保証しているもの並びに社債、株式等の振替に関する法律第六十六条第一号に規定する短期社債及びこれに類するものとして政令で定めるものに限る。)、第二条第一項第八号に掲げる有価証券、同項第十一号に掲げる有価証券(投資信託及び投資法人に関する法律第百三十九条の十二第一項に規定する短期投資法人債及びこれに類するものとして政令で定めるものに限る。次号において「短期投資法人債等」という。)、第二条第一項第十二号から第十四号までに掲げる有価証券、同項第十五号に掲げる有価証券(発行の日から償還の日までの期間が一年未満のものに限る。)、同項第十六号に掲げる有価証券、同項第十七号に掲げる有価証券のうち政令で定めるもの、同項第十八号に掲げる有価証券、同項第二十一号に掲げる有価証券のうち政令で定めるもの並びに同条第二項の規定により有価証券とみなされる同項各号に掲げる権利(第四号の政令で定める権利を除く。) 同条第八項第一号から第三号まで、第六号、第八号及び第九号に掲げる行為 
二  第二条第一項第十号及び第十一号に掲げる有価証券(短期投資法人債等を除く。) 同条第八項第一号から第三号までに掲げる行為及び同項第九号に掲げる行為(有価証券の売出しの取扱い及び特定投資家向け売付け勧誘等の取扱いを除く。) 
三  第二条第一項第十七号に掲げる有価証券のうち同項第一号の性質を有するもの 次に掲げる行為
イ 市場デリバティブ取引及び外国市場デリバティブ取引並びにこれらに係る第二条第八項第二号又は第三号に掲げる行為
ロ 私募の取扱い
ハ 金融商品取引業者(第一種金融商品取引業を行う者に限る。)の委託を受けて、当該金融商品取引業者のために行う第二条第十一項第一号から第三号までに掲げる行為(イ及びロに掲げるものを除く。)
四  前三号に掲げる有価証券以外の有価証券及び第二条第二項の規定により有価証券とみなされる同項第三号及び第四号に掲げる権利であつて政令で定めるもの 次に掲げる行為
イ 私募の取扱い(政令で定める有価証券に係るものを除く。)
ロ 金融商品取引業者(第一種金融商品取引業を行う者に限る。)の委託を受けて、当該金融商品取引業者のために行う第二条第十一項第一号から第三号までに掲げる行為(イに掲げるものを除く。)
五  次に掲げる取引 第二条第八項第四号に掲げる行為(ロに掲げる取引については、多数の者を相手方として行う場合として政令で定める場合に該当するものを除く。)
イ 第一号に掲げる有価証券(当該有価証券に係る二以上の有価証券の価格に基づき当事者間で取り決めた方法により算出される指数を含む。)に係る店頭デリバティブ取引
ロ 前三号に掲げる有価証券(当該有価証券に係る二以上の有価証券の価格に基づき当事者間で取り決めた方法により算出される指数を含む。)に係る店頭デリバティブ取引のうち決済方法が差金の授受に限られているもの
六  有価証券の売買及び有価証券関連デリバティブ取引その他政令で定める取引 有価証券等清算取次ぎ 
3  第二十九条の規定は、金融機関が、次に掲げる行為(以下「デリバティブ取引等」という。)のうち第二十八条第八項第三号から第六号までに掲げるもの(以下「有価証券関連デリバティブ取引等」という。)以外のものを業として行う場合、第二条第八項第五号に掲げる行為のうち第二十八条第八項第七号に掲げるもの以外のものを業として行う場合、第二条第八項第七号に掲げる行為を業として行う場合又は投資助言・代理業若しくは有価証券等管理業務を行う場合には、適用しない。 
一  市場デリバティブ取引等(市場デリバティブ取引又はこれに係る第二条第八項第二号若しくは第三号に掲げる行為をいう。) 
二  店頭デリバティブ取引等 
三  外国市場デリバティブ取引等(外国市場デリバティブ取引又はこれに係る第二条第八項第二号若しくは第三号に掲げる行為をいう。) 

(金融機関の登録) 
第三十三条の二  金融機関は、次に掲げる行為のいずれかを業として行おうとするとき、又は投資助言・代理業若しくは有価証券等管理業務を行おうとするときは、内閣総理大臣の登録を受けなければならない。 
一  書面取次ぎ行為 
二  前条第二項各号に掲げる有価証券又は取引についての当該各号に定める行為(同条第一項ただし書に該当するものを除く。) 
三  デリバティブ取引等のうち有価証券関連デリバティブ取引等以外のもの(他の法律の定めるところにより投資の目的をもつて、又は信託契約に基づいて信託をする者の計算において行うものを除く。)又は第二条第八項第五号に掲げる行為のうち第二十八条第八項第七号に掲げるもの以外のもの 
四  第二条第八項第七号に掲げる行為 

(金融機関の登録申請) 
第三十三条の三  前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した登録申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。 
一  商号又は名称 
二  資本金の額、基金の総額又は出資の総額 
三  役員の氏名又は名称 
四  会計参与設置会社にあつては、会計参与の氏名又は名称 
五  本店その他の営業所又は事務所の名称及び所在地 
六  他に事業を行つているときは、その事業の種類 
七  その他内閣府令で定める事項 
2  前項の登録申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 
一  第三十三条の五第一項第一号及び第二号に該当しないことを誓約する書面 
二  損失の危険の管理方法、業務分掌の方法その他の業務の内容及び方法として内閣府令で定めるものを記載した書類 
三  親法人等、子法人等その他の関係会社の状況として内閣府令で定めるものを記載した書類 
四  前三号に掲げるもののほか、定款、登記事項証明書、貸借対照表、損益計算書その他内閣府令で定める書類 
3  前項第四号に掲げる書類を添付する場合において、定款若しくは貸借対照表が電磁的記録で作成されているとき、又は損益計算書について書面に代えて電磁的記録の作成がされているときは、書類に代えて電磁的記録(内閣府令で定めるものに限る。)を添付することができる。 

(金融機関登録簿への登録) 
第三十三条の四  内閣総理大臣は、第三十三条の二の登録の申請があつた場合においては、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を金融機関登録簿に登録しなければならない。 
一  前条第一項各号に掲げる事項 
二  登録年月日及び登録番号 
2  内閣総理大臣は、金融機関登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。 

(金融機関の登録の拒否等) 
第三十三条の五  内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはこれに添付すべき書類若しくは電磁的記録のうちに虚偽の記載若しくは記録があり、若しくは重要な事実の記載若しくは記録が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。 
一  第五十二条の二第一項の規定により第三十三条の二の登録を取り消され、第六十六条の二十第一項の規定により第六十六条の登録を取り消され、若しくは第六十六条の四十二第一項の規定により第六十六条の二十七の登録を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者 
二  この法律、担保付社債信託法、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、商品先物取引法、投資信託及び投資法人に関する法律、宅地建物取引業法、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律、割賦販売法、貸金業法、特定商品等の預託等取引契約に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、不動産特定共同事業法、資産の流動化に関する法律、金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律、信託業法その他政令で定める法律又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者 
三  登録金融機関業務(第三十三条の二の登録に係る業務をいう。以下同じ。)を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者 
2  内閣総理大臣は、銀行、協同組織金融機関その他政令で定める金融機関に、第三十三条第二項第五号に掲げる取引について、同号に定める行為を業として行うことを登録する場合には、株券に係る取引の公正の確保のため必要な範囲内において内閣府令で定める条件を付してするものとする。 

(変更の届出) 
第三十三条の六  登録金融機関は、第三十三条の三第一項各号に掲げる事項について変更があつたときは、その日から二週間以内に、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。 
2  内閣総理大臣は、前項の規定による届出を受理したときは、届出があつた事項を金融機関登録簿に登録しなければならない。 
3  登録金融機関は、第三十三条の三第二項第二号に掲げる書類に記載した業務の内容又は方法について変更があつたときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。 

(解釈規定) 
第三十三条の七  第三十三条の規定は、内閣総理大臣が、銀行、協同組織金融機関その他政令で定める金融機関が総株主等の議決権の過半数を保有する者に、第二十九条の登録及び第三十条第一項の認可をすることを妨げるものではない。 

(信託業務を営む場合等の特例等) 
第三十三条の八  銀行、協同組織金融機関その他政令で定める金融機関が金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項の認可を受けた金融機関である場合における第三十三条第一項及び第二項、第三十三条の二並びに第五十二条の二第一項第四号の規定の適用については、第三十三条第一項中「有価証券関連業又は投資運用業」とあるのは「有価証券関連業」と、同条第二項中「行われるもの及び当該金融機関が行う投資助言業務に関しその顧客から注文を受けて行われるもの」とあるのは「行われるもの」と、第三十三条の二中「投資助言・代理業若しくは有価証券等管理業務」とあるのは「投資助言・代理業、投資運用業(第二条第八項第十四号又は第十五号に掲げる行為(これらの規定の金銭その他の財産を信託財産として所有して行うものに限る。)を行う業務を除く。以下この章において同じ。)若しくは有価証券等管理業務」と、同号中「投資助言・代理業」とあるのは「投資助言・代理業又は投資運用業」とする。 
2  第二十九条の規定は、次の各号に掲げる者が政令で定めるところにより登録金融機関を代理して当該各号に規定する業務(以下この条において「特定金融商品取引業務」という。)を行う場合には、適用しない。この場合において、特定金融商品取引業務を行う者は、その者が代理する登録金融機関の使用人とみなして、この法律の規定を適用する。 
一  登録金融機関の代理を行う者のうち政令で定める者 第三十三条第二項第二号に掲げる有価証券につき同号に定める行為を行う業務 
二  登録金融機関の代理を行う者のうち次に掲げる者 第二条第二十五項第二号に掲げる金融指標に係る同条第二十二項第二号に掲げる取引のうち、当該登録金融機関が当該取引の相手方から金銭を受領し、これに対して約定数値と現実数値の差に基づいて算出される金銭を支払うことを約する行為(同条第二十五項第二号に掲げる金融指標に係る変動により当該相手方があらかじめ支払つた金銭の額を上回る損失を受けるおそれがないものに限る。)を行う業務
イ 個人である損害保険代理店(保険業法第二条第二十一項に規定する損害保険代理店をいう。以下この号において同じ。)
ロ 個人である損害保険代理店の使用人のうち保険業法第三百二条の規定による届出が行われているもの
ハ 法人である損害保険代理店の役員又は使用人のうち保険業法第三百二条の規定による届出が行われているもの
ニ 法人である損害保険代理店の代表権を有する役員
3  特定金融商品取引業務を行う者が代理する登録金融機関は、その者が特定金融商品取引業務につき顧客に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、当該登録金融機関がその者の選任につき相当の注意をし、かつ、その者の行う特定金融商品取引業務につき顧客に加えた損害の発生の防止に努めたときは、この限りでない。 
     第五款 特定投資家 


(特定投資家への告知義務) 
第三十四条  金融商品取引業者等(金融商品取引業者又は登録金融機関をいう。以下同じ。)は、顧客を相手方とし、又は顧客のために金融商品取引行為(第二条第八項各号に掲げる行為をいう。以下同じ。)を行うことを内容とする契約(以下「金融商品取引契約」という。)の申込みを特定投資家(同条第三十一項第四号に掲げる者に限る。)から受けた場合であつて、当該申込みに係る金融商品取引契約と同じ金融商品取引契約の種類として内閣府令で定めるもの(以下この款において「契約の種類」という。)に属する金融商品取引契約を過去に当該特定投資家との間で締結したことがない場合には、当該申込みに係る金融商品取引契約を締結するまでに、当該特定投資家に対し、当該特定投資家が次条第一項の規定による申出ができる旨を告知しなければならない。 

(特定投資家が特定投資家以外の顧客とみなされる場合) 
第三十四条の二  特定投資家(第二条第三十一項第四号に掲げる者に限る。)は、金融商品取引業者等に対し、契約の種類ごとに、当該契約の種類に属する金融商品取引契約に関して自己を特定投資家以外の顧客として取り扱うよう申し出ることができる。 
2  金融商品取引業者等は、前項の規定による申出を受けた後最初に当該申出に係る契約の種類に属する金融商品取引契約(以下この条において「対象契約」という。)の締結の勧誘又は締結のいずれかを行うまでに、当該申出を承諾しなければならない。 
3  金融商品取引業者等は、前項の規定により承諾する場合には、第一項の規定による申出をした特定投資家(以下この条において「申出者」という。)に対し、あらかじめ、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。 
一  前項の規定により承諾する日(以下この条において「承諾日」という。) 
二  対象契約の属する契約の種類 
三  承諾日以後に対象契約の締結の勧誘又は締結をする場合において、当該申出者を特定投資家以外の顧客として取り扱う旨 
四  その他内閣府令で定める事項 
4  金融商品取引業者等は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、申出者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて内閣府令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該金融商品取引業者等は、当該書面を交付したものとみなす。 
5  金融商品取引業者等が第二項の規定による承諾及び第三項の規定による書面の交付をした場合であつて、申出者が次に掲げる者である場合におけるこの法律(第二十九条の五第三項及びこの款を除く。)の規定の適用については、当該申出者は、特定投資家以外の顧客とみなす。 
一  当該金融商品取引業者等が承諾日以後に行う対象契約の締結の勧誘の相手方 
二  当該金融商品取引業者等が承諾日以後に締結する対象契約の相手方 
6  金融商品取引業者等は、対象契約(第二条第八項第二号から第四号まで、第十号及び第十三号に規定する代理を行うことを内容とするものに限る。以下この項及び第八項において「特定対象契約」という。)の締結に関して申出者が前項の規定の適用を受ける場合において、当該特定対象契約に基づき当該申出者を代理して金融商品取引契約を締結するときは、当該金融商品取引契約の相手方である他の金融商品取引業者等(次項及び第八項において「相手方金融商品取引業者等」という。)に対し、あらかじめ、当該金融商品取引契約に関して申出者が特定投資家以外の顧客とみなされる旨を告知しなければならない。 
7  金融商品取引業者等が前項の規定による告知をした場合には、相手方金融商品取引業者等に対しては、前条の規定は、適用しない。 
8  特定対象契約を締結した金融商品取引業者等が第六項の規定による告知をした場合には、当該金融商品取引業者等が当該特定対象契約に基づき申出者を代理して相手方金融商品取引業者等との間で締結する金融商品取引契約については、当該申出者を特定投資家以外の顧客とみなして、この法律(第二十九条の五第三項及びこの款を除く。)の規定を適用する。 
9  承諾日以後に申出者が新たに適格機関投資家となつた場合には、当該申出者が適格機関投資家となつた日以後は、第五項から前項までの規定は、適用しない。 
10  申出者は、承諾日以後いつでも、金融商品取引業者等に対し、対象契約に関して自己を再び特定投資家として取り扱うよう申し出ることができる。 
11  金融商品取引業者等は、前項の規定による申出を承諾する場合には、あらかじめ、この項の規定による承諾をする日その他の内閣府令で定める事項を記載した書面により、当該申出をした者(次項において「復帰申出者」という。)の同意を得なければならない。 
12  金融商品取引業者等は、前項の規定による書面による同意に代えて、政令で定めるところにより、復帰申出者の承諾を得て、当該書面による同意を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて内閣府令で定めるものにより得ることができる。この場合において、当該金融商品取引業者等は、当該書面による同意を得たものとみなす。 
13  金融商品取引業者等が第十一項の規定による承諾をした場合には、同項の規定による承諾をした日以後新たに第二項の規定により承諾する日の前日までの間は、第五項、第六項及び第八項の規定は、適用しない。 

(特定投資家以外の顧客である法人が特定投資家とみなされる場合) 
第三十四条の三  法人(特定投資家を除く。)は、金融商品取引業者等に対し、契約の種類ごとに、当該契約の種類に属する金融商品取引契約に関して自己を特定投資家として取り扱うよう申し出ることができる。 
2  金融商品取引業者等は、前項の規定による申出を承諾する場合には、あらかじめ、次に掲げる事項を記載した書面により、当該申出をした法人(以下この条において「申出者」という。)の同意を得なければならない。この場合において、第二号に規定する期限日は、第一号に規定する承諾日から起算して一年を経過する日(内閣府令で定める場合にあつては、当該経過する日前で内閣府令で定める日)としなければならない。 
一  この項の規定による承諾をする日(以下この条において「承諾日」という。) 
二  当該申出に係る契約の種類に属する金融商品取引契約(以下この条において「対象契約」という。)の締結の勧誘又は締結をする場合において、申出者を特定投資家として取り扱う期間の末日(以下この条において「期限日」という。) 
三  対象契約の属する契約の種類 
四  当該申出者が次に掲げる事項を理解している旨
イ 特定投資家が金融商品取引業者等から対象契約の締結の勧誘を受け、又は当該金融商品取引業者等に対象契約の申込みをし、若しくは当該金融商品取引業者等と対象契約を締結する場合におけるこの法律の規定の適用の特例の内容として内閣府令で定める事項
ロ 対象契約に関して特定投資家として取り扱われることがその知識、経験及び財産の状況に照らして適当ではない者が特定投資家として取り扱われる場合には、当該者の保護に欠けることとなるおそれがある旨
五  期限日以前に対象契約の締結の勧誘又は締結をする場合において、当該申出者を特定投資家として取り扱う旨 
六  期限日後に対象契約の締結の勧誘又は締結をする場合において、当該申出者を特定投資家以外の顧客として取り扱う旨 
七  その他内閣府令で定める事項 
3  前条第十二項の規定は、前項の規定による書面による同意について準用する。 
4  金融商品取引業者等が第二項の規定による承諾をし、かつ、申出者が同項の規定による書面による同意をした場合であつて、当該申出者が次に掲げる者である場合におけるこの法律(第二十九条の五第三項及びこの款を除く。)の規定の適用については、当該申出者は、特定投資家とみなす。 
一  当該金融商品取引業者等が承諾日から期限日までに行う対象契約の締結の勧誘の相手方 
二  当該金融商品取引業者等が承諾日から期限日までに締結する対象契約の相手方 
5  金融商品取引業者等は、対象契約(第二条第八項第二号から第四号まで、第十号及び第十三号に規定する代理を行うことを内容とするものに限る。以下この項及び次項において「特定対象契約」という。)の締結に関して申出者が前項の規定の適用を受ける場合において、当該特定対象契約に基づき当該申出者を代理して期限日以前に金融商品取引契約を締結するときは、当該金融商品取引契約の相手方である他の金融商品取引業者等(次項において「相手方金融商品取引業者等」という。)に対し、あらかじめ、当該金融商品取引契約に関して申出者が特定投資家とみなされる旨を告知しなければならない。 
6  特定対象契約を締結した金融商品取引業者等が前項の規定による告知をした場合には、当該金融商品取引業者等が当該特定対象契約に基づき申出者を代理して相手方金融商品取引業者等との間で締結する金融商品取引契約(期限日以前に締結するものに限る。)については、当該申出者を特定投資家とみなして、この法律(第二十九条の五第三項及びこの款を除く。)の規定を適用する。 
7  申出者は、期限日以前に対象契約の属する契約の種類に係る第一項の規定による申出(次項において「更新申出」という。)をする場合には、承諾日から起算して内閣府令で定める期間を経過する日以後にしなければならない。 
8  申出者が更新申出をする場合における第二項及び前項の規定の適用については、第二項中「第一号に規定する承諾日」とあるのは「前回の期限日の翌日」と、前項中「承諾日」とあるのは「前回の期限日の翌日」とする。 
9  申出者は、承諾日以後いつでも、金融商品取引業者等に対し、対象契約に関して自己を再び特定投資家以外の顧客として取り扱うよう申し出ることができる。 
10  金融商品取引業者等は、前項の規定による申出を受けた後最初に対象契約の締結の勧誘又は締結のいずれかを行うまでに、当該申出を承諾しなければならない。 
11  金融商品取引業者等は、前項の規定により承諾する場合には、第九項の規定による申出をした法人に対し、あらかじめ、前項の規定による承諾をする日その他の内閣府令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない。 
12  前条第四項の規定は、前項の規定による書面の交付について準用する。 
13  金融商品取引業者等が第十項の規定による承諾をした場合には、同項の規定による承諾をした日以後新たに第二項の規定による承諾をする日の前日までの間は、第四項から第九項までの規定は、適用しない。 

(特定投資家以外の顧客である個人が特定投資家とみなされる場合) 
第三十四条の四  次に掲げる個人(適格機関投資家を除く。)は、金融商品取引業者等に対し、契約の種類ごとに、当該契約の種類に属する金融商品取引契約に関して自己を特定投資家として取り扱うよう申し出ることができる。 
一  商法第五百三十五条に規定する匿名組合契約を締結した営業者である個人(内閣府令で定めるものを除く。)その他これに類するものとして内閣府令で定める個人 
二  前号に掲げるもののほか、その知識、経験及び財産の状況に照らして特定投資家に相当する者として内閣府令で定める要件に該当する個人 
2  金融商品取引業者等は、前項の規定による申出を受けた場合には、当該申出をした個人(以下この条において「申出者」という。)に対し、前条第二項第四号イ及びロに掲げる事項を記載した書面を交付するとともに、申出者が前項各号に掲げる者のいずれかに該当することを確認しなければならない。 
3  第三十四条の二第四項の規定は、前項の規定による書面の交付について準用する。 
4  申出者は、金融商品取引業者等が第六項において準用する前条第二項の規定による承諾をする日以後いつでも、当該金融商品取引業者等に対し、第一項の規定による申出に係る契約の種類に属する金融商品取引契約に関して自己を再び特定投資家以外の顧客として取り扱うよう申し出ることができる。 
5  金融商品取引業者等は、前項の規定による申出を受けた後最初に当該申出に係る契約の種類に属する金融商品取引契約の締結の勧誘又は締結のいずれかを行うまでに、当該申出を承諾しなければならない。 
6  前条第二項から第八項までの規定は第一項の規定による申出を承諾する場合について、同条第十一項から第十三項までの規定は第四項の規定による申出を承諾する場合について、それぞれ準用する。この場合において、同条第二項中「当該申出をした法人」とあるのは「次条第二項に規定する申出者」と、同条第四項中「第二項の規定による承諾」とあるのは「次条第二項の規定による書面の交付及び確認並びに第二項の規定による承諾」と、同条第七項中「第一項」とあるのは「次条第一項」と、同条第十一項中「前項」とあるのは「次条第五項」と、「第九項の規定による申出をした法人」とあるのは「同条第四項の規定による申出をした個人」と、同条第十三項中「第十項」とあるのは「次条第五項」と、「第二項の規定による承諾」とあるのは「同条第二項の規定による書面の交付及び確認並びに第二項の規定による承諾」と、「第九項まで」とあるのは「第八項まで及び次条第四項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 

(政令への委任) 
第三十四条の五  この款に定めるもののほか、特定投資家が特定投資家以外の顧客とみなされる場合又は特定投資家以外の顧客が特定投資家とみなされる場合の手続その他この款の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。